2025年8月7日 | 辛酸なめ子WEBコラム

特別エッセイ☆辛酸なめ子「蛇窪神社参拝」

 毎回新たな発見と浄化があるエネルギー散策。今回は藤井さんおすすめの蛇窪神社にお参りさせていただくことになりました。蛇窪神社は、数年前一度参拝したことがありました。蛇のかわいい像が境内の随所にあり、テーマパークのような楽しさがあったことを覚えています。
 鈴木会長は2025年に入ってから2回ほど蛇窪神社にお参りに行ったら、すごい行列でとても入れず、今回は3回目でついに参拝できると喜んでいらっしゃいました。

◎日本白蛇三大聖地のひとつ

 大井町線の中延駅から神社に向かいます。地元の商店街には赤い柱とのぼりが立っていて、写真を撮ったら不思議な虹色の玉が写り込んでいました。前にもスピリチュアル系の友人に強くすすめられて参拝したことがあるのですが、やはりこの神社には神様が鎮座していて霊験は本物だと実感。
 平日の午前中でしたが、お参りに並ぶ人がたくさんいて、道端で立ち止まって「これは何の神社?」と参拝客に尋ねる人も。人が人を呼んで、さらに神社のパワーが増大しているようです。
 御祭神は「天照大御神」「天児屋根命」「応神天皇」、境内社の「白蛇辨財天社」では、さらに「市杵島姫神」「田心姫神」「湍津姫神」という女神様をお祀り。境内には「白蛇大神」「蛇窪龍神」をお祀りしている社もあります。蛇神様、龍神様には財運や心願成就、立身出世のご利益もあります。物価上昇や株価急落に苛まれているので、ぜひおすがりしたいです。
 また、こちらは山口県岩国市、群馬県沼田市の老神温泉とならぶ「日本白蛇三大聖地」のひとつだとのこと。都内でここだけだと思うと長蛇の列ができるのも納得です。今「長蛇」と書いて気付きましたが、長い列ももしかしたら蛇神様のお姿の現れかもしれません……。
 今回は藤井さん、鈴木会長は正式参拝を受けられるとのことで、ありがたいことに同じ部屋で体験させていただきました。霊験あらたかな「白蛇祈願」を受けると、「白蛇大神」が、さまざまな願い事を清めて神様へ届けてくださいます。蛇は脱皮するので、再生や気力の復活、病気平癒、心身清浄の御利益も。生きていく上で最も重要なご利益かもしれません。ちなみに藤井さんは前日に白蛇の夢を見たそうで、さっそく神様と神脈を築かれているようです。
 「蛇窪神社」のご祈願は、ホラ貝と太鼓のパワフルな演奏でトリップ感がありました。お寺の祈願ではたまに激しい太鼓の奏上がありますが、神社でこんなにワイルドな音楽を体感できるとは。音でも邪気が祓われていくようです。力強い祝詞と、「ドンドンドン」という太鼓の音、背後でお参りの人々が「バンバン」と手を打つ音が不思議なハーモニーを奏でていました。こちらではご祈祷の間、心の中で願いを伝えると良いとのこと。祈願中、私は普通に健康と仕事などを祈っていたのですが、藤井さん、鈴木会長、それぞれに体感があったようです。祈願の間、鈴木会長には「愛」「楽しい」というメッセージが降りてきたそうです。藤井さんは、「太鼓の音と神主さんの祝詞で変性意識に入りそうでした」とおっしゃっていました。本殿に飾られていた龍神様の絵にもパワーが宿っているようで、この空間全体が次元上昇していた感もありました。不思議と、エアコンが当たっているわけでもないのに風が吹いたのを感じました。
 神主さんに少しお話を伺うと、「蛇の神様には天候を司る力があると言われ、蔵の守り神としても信仰を集めてきました。このあたりはかつて蛇窪村と呼ばれていて、神社の境内の清水が湧き出る洗場に白蛇様が住まわれていたのですが、この洗場がいつの日か無くなり、戸越公園に移られたのです。でも、そのあと女性の姿になって、地元の人の夢枕に出現。もとの住処に戻りたい、と訴えられました。それを聞いた神主が、弁天社を建立し、池を造って白蛇様を呼び戻したのです」と、いわれを教えてくださいました。
 日本中、世界中に蛇神信仰がありますが、人間にも近くて、コンタクトをとりやすく、ご相談ごとを叶えてくださりやすいありがたい存在です。蛇窪神社のシンボルの7つの円は、蛇が7体集まっていて、8体で龍神に進化しようとしているところを表しているとのこと。龍神になると、さらに手が届かなくなった感があります。蛇窪神社に祀られている龍神様は、かつて村の鎮守として、村を日照りから救ったという霊験が。天候や豊作など、スケールが大きいお願いをするのが良いのでしょう。ちなみにパワフルな祈祷のスタイルは、かつて神仏習合だったころの名残だそうです。

◎充実している境内

 神社の広報で権禰宜の須永さんにもお話を伺うことができました。「当社の正式名称は『天祖神社』のままですが、地域の繁栄を祈り、旧地名の名称を後世に残そうと、令和元年に別称の『蛇窪神社』を通称表記にいたしました。蛇を前面に出して、白蛇様の像を彫刻家の方が奉納してくださって、おかげさまで好評です。大鳥居をくぐったところにある「一粒万倍の石像」は、ご利益があると言われていて、宝くじが当たった人やプロジェクトが成功した方がお礼参りにきてくださいます」と、神社のあらましを教えてくださいました。私は成功運にフォーカスしきれていないからか、その石像をスルーしてしまっていました……。
 「祈祷の間は、白蛇さんが見えるという方もいらっしゃいます。風が吹いたのを感じたり、音が聴こえたりする方も。どこに神様を見出すのかは自由で人それぞれです」。
 藤井さんのように、白蛇様が夢に出てくる人も……。
 「白蛇さんは、どの人の夢に出るか、人を選ばれます。戸越公園から神社に戻りたいときには、有力者である地主さんの夢枕に現れました。地主さんは、宮司に働きかけることができました。夢を見せたことで良い方向に動ける人のところに来られるんです」。
 たしかに白蛇様が一介の庶民の夢枕に出て、神社に戻りたいと訴えても、その人はどうすることもできません。藤井さんの夢に出られたということは、何か大切なお役目があるのでしょう。
 当時、地主の言葉に動かされた鎌倉時代当時の宮司さんは、なんと厳島神社まで歩いていき、弁財天の御霊をわけていただいたそうです。きっとその時も、姿が見えなくても白蛇様が付き添ってサポートしていたのでしょう。由緒正しい神様がいらっしゃると思うと、崇敬の念やご利益への期待感が高まります。

 「お参りするときにその神社の神様のことを知っていると何をお願いしたらいいか明確にわかるので、下調べしてくださるとより深く楽しめますよ」と、須永さん。ちなみに祈願項目のおすすめは「美白清浄」のご祈願だそうです。須永さんも美白でいらっしゃいますが、外見だけではなく、内面が清らかになるご利益があるとのこと。
 「白蛇さんのように内面も心も白く清らかに美しくなりますように、というご祈願です。脱皮して成長していく生き物なので、いらないものを脱ぎ捨てて新しい自分に生まれ変わる、浄化のご利益もあります」。
 初穂料は個人は7000円からなので、エステに行くより安いです。
 社務所の中にいらっしゃる、リアル白蛇さんたちのお姿を拝見することができました。みーくんとしーちゃんという、神がかった白い蛇で赤い瞳がかわいいです。ゆったりととぐろを巻いて、こちらを見つめていました。AIで擬人化したらかなりの美少女になりそうです。美白祈願でこんなかわいい白蛇に近付けたらありがたいご利益です。

 蛇窪神社は境内が大充実していて、気付いたら半日くらい経ってしまいそうです。銭回し・銭洗所では、種銭を石臼の金杯に乗せて清めたあと、自分のお金と一緒にザルに入れ、銭洗いができます。種銭はお財布に入れておくのが良いとのこと。五百円玉とサイズ感が同じくらいなので間違えないようにしたいです。ザルを持って、白蛇辨財天社に参拝。両側に鎮座している狛蛇像がかわいいです。
 境内の裏には「愚痴壺」もありました。壺の蓋を開けて、愚痴や不満、悩みなどを吐き出してスッキリするというもの。トランプ関税への不満を吐き出したいところでしたが、他の人の念を浴びてしまいそうで、蓋を開ける勇気がありませんでした。
 藤井さんも若干ネガティブなものを感じていたようです。鈴木会長は果敢にも蓋を開けていましたが、「変な臭いがする」と言い、そのあと調子が悪いと言っていたので、マイナスエネルギーを受けてしまったのかもしれません。「邪気は臭い」ということ身をもって教えてくださいました。

 お坊さんが一週間断食修行をして、龍神様に雨乞いをした境内社である「法密稲荷」も、コンテンツが充実していました。水をかけながら願い事をする「願掛け水掛宝珠」、軽いと感じたら願い事が早く叶う「おもかる狐石」、満願岩に投げた石が入れば願いが叶う「運玉投げ」など。家族連れのお子さんが楽しそうに挑戦していましたが、難易度が高く入らなかったようです。
 江戸時代に、村人が地盤を固めるのに使った「土搗石」という、歴史的に重要な道具も置かれていました。村人たちは歌を歌いながら交代で土地を固めていたそうです。
 石が村人たちの歌のデータを記録しているメディアのように見えてきました。藤井さんは、「盃状穴のような穴があるので、古代から使われてきたものでしょう」と推測。このような貴重な民族学的資料を間近で拝見できるのも神社のありがたい霊験です。

◎戸越公園でリフレッシュ

 参拝後、白蛇様が一時的に住処にしていた「戸越公園」に向かいました。その途中、「大原不動尊」にも参拝。白蛇様の戻り道に鎮座しているので、「戻り白蛇様」が手水舎に祀られています。白くてきれいな蛇の石像の横にはなぜかハイターが。これで白くなった……というわけではなく、地元の方が掃除して大切にお守りしているのでしょう。
 「戸越公園」は、まるで神社の鳥居のような立派な門があり、藤井さんも「ここは古代の人にとって神域だったのでは」と話していました。
 公園の真ん中の川にかけられた橋に行くと、藤井さんと鈴木会長の七つ道具である、方位磁針がグルグル回り出す地点があり、磁気異常を感じさせました。おそらくゼロ磁場的なパワースポットだそうです。川の奥に、おそらく「奥宮」があったのではないか、とのこと。
 たしかにしばらく立っていたら、自分の中のネガティブなエネルギーが抜けていく感じがします。驚いたのは、この日あった吹き出ものが急に翌日から治りはじめたこと。また肌トラブルが発生したら訪れたいパワースポットです。
 藤井さんは「白蛇様は、ここと神社を行き来しながら遊んでいるのかもしれませんね」とおっしゃいました。多くの人々がつめかける神社でお願い事を叶えまくって疲れたら、気持ちの良い公園の水場で休憩してリフレッシュされているのかもしれません。人間だけでなく、神々の世界でもワークライフバランスが重要なのでしょうか。白蛇様から様々な処世術を学べるご利益もいただけました。